2023.02.11
スポーツバイクの持ち込み作業 後編
こんにちは、出張修理の自転車屋さんです。
本日は前回の続きのスポーツバイクの調整、点検をご紹介します。
変速調整を行いますがチェーンのテンションが明らかにおかしいです。

フロントは1Xですのでリアをトップの位置にするとこんなにチェーンがたるみます。

理由はテンションアジャスターが正しく調整されていない為です。

ローギヤの歯の先端とガイドプーリーの歯の先端の距離が約10mm程しかありません。
メーカーの指定では15mm程が適正な距離になりますのでその距離になるように調整をしてから変速の調整に入ります。
調整後はとても滑らかに変速して問題無しです。

変速調整前にはチェーンに注油もします。
せっかくなので高級オイルを塗布します。

クランクの締め付け確認

ペダルの締め付け確認
そしてブレーキの異音が酷かったので対策をします。
パッドはシマノ製パッドを持ち込みで交換します。

ただ取り付けただけでは異音がしますので角の面取りを行います。

パッドの裏面のベースプレート部分には異音対策でグリスをほんのわずかに薄く塗ります。

メーカーではグリスを塗るなと指示しているところもありますが、今まで数え切れない数のバイクを同じ施工をしていて問題が出た事はありませんし、異音が出た事もまずありません。

新しいパッドを装着してキャリパーに取り付けします。



ピストンを正しい工具を用いて戻します。

フレームに取り付けてセンターだしを行います。

ローターの歪みはしっかり矯正してパッドと接触しないようにセットします。

新しいWERAの工具はボルトが保持されて落としにくいです。

全ての調整が終わりましたら、実際に走行して問題が無いかを確認して作業完了です。

新車でも調子が悪いなどありましたら気軽にご相談ください。
カテゴリ:スポーツバイク修理日記
本日は前回の続きのスポーツバイクの調整、点検をご紹介します。
変速調整を行いますがチェーンのテンションが明らかにおかしいです。

フロントは1Xですのでリアをトップの位置にするとこんなにチェーンがたるみます。

理由はテンションアジャスターが正しく調整されていない為です。

ローギヤの歯の先端とガイドプーリーの歯の先端の距離が約10mm程しかありません。
メーカーの指定では15mm程が適正な距離になりますのでその距離になるように調整をしてから変速の調整に入ります。
調整後はとても滑らかに変速して問題無しです。

変速調整前にはチェーンに注油もします。
せっかくなので高級オイルを塗布します。

クランクの締め付け確認

ペダルの締め付け確認
そしてブレーキの異音が酷かったので対策をします。
パッドはシマノ製パッドを持ち込みで交換します。

ただ取り付けただけでは異音がしますので角の面取りを行います。

パッドの裏面のベースプレート部分には異音対策でグリスをほんのわずかに薄く塗ります。

メーカーではグリスを塗るなと指示しているところもありますが、今まで数え切れない数のバイクを同じ施工をしていて問題が出た事はありませんし、異音が出た事もまずありません。

新しいパッドを装着してキャリパーに取り付けします。



ピストンを正しい工具を用いて戻します。

フレームに取り付けてセンターだしを行います。

ローターの歪みはしっかり矯正してパッドと接触しないようにセットします。

新しいWERAの工具はボルトが保持されて落としにくいです。

全ての調整が終わりましたら、実際に走行して問題が無いかを確認して作業完了です。

新車でも調子が悪いなどありましたら気軽にご相談ください。
2023.02.03
スポーツバイクの持ち込み作業 前編
こんばんは、出張修理の自転車屋さんです。
本日は、多治見市内よりスポーツバイクの持込での点検、調整の作業をご紹介します。
新車で購入されたとの事ですが、全体的に調子が悪いそうです。
事前にチェックしましたが突っ込み所が多いので一旦お預かりさせて頂いて、作業場でしっかりと作業します。

とてもお洒落なバイクですね!!
まずはフレームからホイールを外して作業台にフレームを固定します。

ホイールの外す際に違和感を感じたので字具を当てて確認すると、フレームリアバックのセンターがずれています。
クロモリフレームなので出来る限り矯正、修正します。
ほぼ真っ直ぐになりました。
フレームの精度が出ていないと全ての調整が上手くいきません。
次はリアホイール

スプロケットのロックリングが緩いので増し締めします。

ローター取り付けボルトも確認。

リアホイールが惰性で回転するとゴムの擦れるような音がしていました。

音の原因はハブのダストカバー

ダストカバーにほんの薄くラバーグリスを塗ります。
ハブの玉当たりは問題なし。
塗りすぎは飛散してローターに付着するので要注意です。

振れ取り台で現状の確認してから、


センターの確認をしますとセンターもズレていますね。


調整後はしっかりとセンターも合わせています。

同時にスポークテンションもバラツキをそろえながら調整します。

リアのクイックシャフトにはグリスが一切塗られていません。
おそらく完成車で箱から出して一度もホイールを外していないのかも、、、

定番のグリス

細かい事ですが丁寧な作業をします。
リアホイールの整備が完了したのでフレームに戻してディレラーハンガーの確認です。

6時の位置

12時の位置

9時の位置
12時と9時の位置では明らかに間隔が大きすぎます。
図ってみると


12時の位置で26mmほど、9時の位置では20mmほどの間隔があります。
これではまともに変速調整は出来ませんので矯正します。



矯正後は全ての位置で間隔が一定です。
これの精度が出ていないと変速調整は出来ません。
続いてはフロントホイール

フロントにはグリスが塗られていました。

ローターの締め付け確認。

現状の確認後に


フロントのセンターもズレています。


センターもだして、

スポークテンション、バランスの調整をしてフロントホイールの作業も完了です。
残りは後編で、、、次回に続きます。
カテゴリ:スポーツバイク修理日記
本日は、多治見市内よりスポーツバイクの持込での点検、調整の作業をご紹介します。
新車で購入されたとの事ですが、全体的に調子が悪いそうです。
事前にチェックしましたが突っ込み所が多いので一旦お預かりさせて頂いて、作業場でしっかりと作業します。

とてもお洒落なバイクですね!!
まずはフレームからホイールを外して作業台にフレームを固定します。

ホイールの外す際に違和感を感じたので字具を当てて確認すると、フレームリアバックのセンターがずれています。
クロモリフレームなので出来る限り矯正、修正します。

ほぼ真っ直ぐになりました。
フレームの精度が出ていないと全ての調整が上手くいきません。
次はリアホイール

スプロケットのロックリングが緩いので増し締めします。

ローター取り付けボルトも確認。

リアホイールが惰性で回転するとゴムの擦れるような音がしていました。

音の原因はハブのダストカバー

ダストカバーにほんの薄くラバーグリスを塗ります。
ハブの玉当たりは問題なし。
塗りすぎは飛散してローターに付着するので要注意です。

振れ取り台で現状の確認してから、


センターの確認をしますとセンターもズレていますね。


調整後はしっかりとセンターも合わせています。

同時にスポークテンションもバラツキをそろえながら調整します。

リアのクイックシャフトにはグリスが一切塗られていません。
おそらく完成車で箱から出して一度もホイールを外していないのかも、、、

定番のグリス

細かい事ですが丁寧な作業をします。
リアホイールの整備が完了したのでフレームに戻してディレラーハンガーの確認です。

6時の位置

12時の位置

9時の位置
12時と9時の位置では明らかに間隔が大きすぎます。
図ってみると


12時の位置で26mmほど、9時の位置では20mmほどの間隔があります。
これではまともに変速調整は出来ませんので矯正します。



矯正後は全ての位置で間隔が一定です。
これの精度が出ていないと変速調整は出来ません。
続いてはフロントホイール

フロントにはグリスが塗られていました。

ローターの締め付け確認。

現状の確認後に


フロントのセンターもズレています。


センターもだして、

スポークテンション、バランスの調整をしてフロントホイールの作業も完了です。
残りは後編で、、、次回に続きます。
2023.01.22
リムの組み換え
こんにちは、出張修理の自転車屋さんです。
本日は、以前オーバーホールで紹介したKONAのMTBを将来的にはマウンテンバイクの楽しみを知って頂けるように貸し出しできるようにこつこつとカスタマイズしていきます。
まずはホイールをチューブレスに対応できるようにリムを組み替えます。
タイヤチューブをはずし

ローターを取り外します。

次にスプロケットを外します。

そしてニップルを取り外します。

外れたらリムを外します。

外したパーツを測定して新しいリムでのスポーク長を計算します。

リムは安心のMAVIC

スポークを新しい長さにカットします。

カットしたスポークの端面を整えて長さもぴったりに合わせます。

カットしたスポークにねじ山の転造加工をします。

バイスにセットして加工していきます。



64本加工し終えたら、洗浄してねじ部にプレップを塗布して乾燥させます。

乾燥したら組み立てて行きます。


バランス調整

テンション調整

完成です。


この様にしてホイールは組み立てをします。
手の空いた時間でこつこつ進めていきますのでまた作業をご紹介します。
カテゴリ:スポーツバイク修理日記
本日は、以前オーバーホールで紹介したKONAのMTBを将来的にはマウンテンバイクの楽しみを知って頂けるように貸し出しできるようにこつこつとカスタマイズしていきます。
まずはホイールをチューブレスに対応できるようにリムを組み替えます。
タイヤチューブをはずし

ローターを取り外します。

次にスプロケットを外します。

そしてニップルを取り外します。

外れたらリムを外します。

外したパーツを測定して新しいリムでのスポーク長を計算します。

リムは安心のMAVIC

スポークを新しい長さにカットします。

カットしたスポークの端面を整えて長さもぴったりに合わせます。

カットしたスポークにねじ山の転造加工をします。

バイスにセットして加工していきます。



64本加工し終えたら、洗浄してねじ部にプレップを塗布して乾燥させます。

乾燥したら組み立てて行きます。


バランス調整

テンション調整

完成です。


この様にしてホイールは組み立てをします。
手の空いた時間でこつこつ進めていきますのでまた作業をご紹介します。
2023.01.08
ホイール交換からのトラブル 続き②
こんにちは 出張修理の自転車屋さんです。
本日は、前回の続きサーリーの作業をご紹介します。
前回はホイールの作業、整備が完了したので次はフレームです。
まずはリア精度の確認


大きなズレは無いです。
フロントの確認


少しずれていましたので修正しました。
次はRディレラーハンガーの確認



右側から見て6.9.12時の位置で確認しますが12時の位置では大きくずれています。
矯正後



6.9.12時いずれの場所でも間隔が一定です。
今回の11速等の多段ギヤではハンガーの精度で変速精度が大きく変わります。
フレームの作業が終わりましたので次は全体的にブレーキ、変速、等を作業します。


最初の点検で指摘した割れている、Rシフトアウターワイヤーの交換から作業します。
横から見るとアウターワイヤーが短いですね、この時代のパーツを使用していたプロ選手たちのバイクを見ても分かりますがアウターワイヤーを長めにセットしています。






インナーワイヤーを含めて交換して前後の変速調整を行います。
次はブレーキ






アジアスターレバーも開放位置でセットされており、ブレーキシューの高さ角度などもリムのブレーキ面から外れておりますので全て調整します。




アジャスターを閉じた位置でブレーキの遊びを調整してからシューの高さや角度をリムのブレーキ面に納まるように調整します。
後は全体的にボルト、ナットの締め付け確認、ヘッドパーツのベアリングコンタクトなどを確認、調整します。
調整後には実際にテスト走行をしてブレーキ、変速等、走行動作に問題が無いか確認します。

久しぶりのダブルタップですがやっぱりスラムは良いですね!!
この様なスポーツバイクの点検調整等も行っておりますので気軽にご相談ください。
カテゴリ:スポーツバイク修理日記
本日は、前回の続きサーリーの作業をご紹介します。
前回はホイールの作業、整備が完了したので次はフレームです。
まずはリア精度の確認


大きなズレは無いです。
フロントの確認


少しずれていましたので修正しました。
次はRディレラーハンガーの確認



右側から見て6.9.12時の位置で確認しますが12時の位置では大きくずれています。
矯正後



6.9.12時いずれの場所でも間隔が一定です。
今回の11速等の多段ギヤではハンガーの精度で変速精度が大きく変わります。
フレームの作業が終わりましたので次は全体的にブレーキ、変速、等を作業します。


最初の点検で指摘した割れている、Rシフトアウターワイヤーの交換から作業します。
横から見るとアウターワイヤーが短いですね、この時代のパーツを使用していたプロ選手たちのバイクを見ても分かりますがアウターワイヤーを長めにセットしています。






インナーワイヤーを含めて交換して前後の変速調整を行います。
次はブレーキ






アジアスターレバーも開放位置でセットされており、ブレーキシューの高さ角度などもリムのブレーキ面から外れておりますので全て調整します。




アジャスターを閉じた位置でブレーキの遊びを調整してからシューの高さや角度をリムのブレーキ面に納まるように調整します。
後は全体的にボルト、ナットの締め付け確認、ヘッドパーツのベアリングコンタクトなどを確認、調整します。
調整後には実際にテスト走行をしてブレーキ、変速等、走行動作に問題が無いか確認します。

久しぶりのダブルタップですがやっぱりスラムは良いですね!!
この様なスポーツバイクの点検調整等も行っておりますので気軽にご相談ください。
2023.01.03
ホイール交換からのトラブル
明けましておめでとうございます。 出張修理の自転車屋さんです。

今年も1年よろしくお願い致します。
ウサギ年にちなんで今年最初はサーリーの作業をご紹介します。
以前、サーリーの点検をさせて頂いたお客様より違うサーリーでホイールをご自身で交換されてから駆動系がおかしいとの事で持ち込み頂きました。

とりあえず外見から軽くチェックします。


リアのシフトワイヤーの痛み、後は何故かブレーキアウターがシフトアウターで組まれているぐらいが気になった箇所です。

そして一番の問題点の駆動系ですがよく見るとスプロケットのロックリングがフレームと接触しています。
これではまともに漕ぐ事は出来ません。

明らかにロックリングが外側に出すぎています。

ロックリングにはフレームと当たり塗装の剥がれが付着しています。

フレーム側もロックリングと接触して塗装が剥がれて傷が付いています。

ロックリングを外すとほとんどねじ山と噛んでおらずトップギヤもフリーボディーのスプラインにわずかに乗っているだけです。

カセットスプロケットを外すと謎のスペーサーが1枚入っています。
これが原因ですね。

フリーなどのサイズをしっかり測定、確認してこの要らないスペーサーを外します。

ベアリングの状態などもついでに確認していきますが、フリーのベアリング2ヶ所が明らかにゴリゴリしています。

シールを外すとグリスが無くベアリングが錆びてます。

とりあえず交換には部品が必要ですが今の時代は補修用のパーツをそろえるのも一苦労となるので全てのベアリングサイズを測定して交換パーツを揃えるまで応急的に清掃、グリスアップをします。

この様な状態になる前には定期的なメンテナンスが必要ですが最高のケミカルを使用して組みなおします。

フリー部分なども必要に応じて清掃、注油、グリスアップ等をしていきます。

正しい手順で組み立てなおすとトップギヤも正しい位置に収まります。

ロックリングもねじ山に正しいく収まります。

フレームに収めてもロックリングとフレームは干渉しません。




前輪もホイールバランス、センター、スポークテンションなど確認して手直しします。



後輪も同じく整備します。
残りの作業は次回紹介します。
この様に組み立て手順が違ったりすると事故や怪我につながるケースもありますので自転車がいつもと違う違和感などを感じられましたら気軽にご相談ください。
カテゴリ:スポーツバイク修理日記

今年も1年よろしくお願い致します。
ウサギ年にちなんで今年最初はサーリーの作業をご紹介します。
以前、サーリーの点検をさせて頂いたお客様より違うサーリーでホイールをご自身で交換されてから駆動系がおかしいとの事で持ち込み頂きました。

とりあえず外見から軽くチェックします。


リアのシフトワイヤーの痛み、後は何故かブレーキアウターがシフトアウターで組まれているぐらいが気になった箇所です。

そして一番の問題点の駆動系ですがよく見るとスプロケットのロックリングがフレームと接触しています。
これではまともに漕ぐ事は出来ません。

明らかにロックリングが外側に出すぎています。

ロックリングにはフレームと当たり塗装の剥がれが付着しています。

フレーム側もロックリングと接触して塗装が剥がれて傷が付いています。

ロックリングを外すとほとんどねじ山と噛んでおらずトップギヤもフリーボディーのスプラインにわずかに乗っているだけです。

カセットスプロケットを外すと謎のスペーサーが1枚入っています。
これが原因ですね。

フリーなどのサイズをしっかり測定、確認してこの要らないスペーサーを外します。

ベアリングの状態などもついでに確認していきますが、フリーのベアリング2ヶ所が明らかにゴリゴリしています。

シールを外すとグリスが無くベアリングが錆びてます。

とりあえず交換には部品が必要ですが今の時代は補修用のパーツをそろえるのも一苦労となるので全てのベアリングサイズを測定して交換パーツを揃えるまで応急的に清掃、グリスアップをします。

この様な状態になる前には定期的なメンテナンスが必要ですが最高のケミカルを使用して組みなおします。

フリー部分なども必要に応じて清掃、注油、グリスアップ等をしていきます。

正しい手順で組み立てなおすとトップギヤも正しい位置に収まります。

ロックリングもねじ山に正しいく収まります。

フレームに収めてもロックリングとフレームは干渉しません。




前輪もホイールバランス、センター、スポークテンションなど確認して手直しします。



後輪も同じく整備します。
残りの作業は次回紹介します。
この様に組み立て手順が違ったりすると事故や怪我につながるケースもありますので自転車がいつもと違う違和感などを感じられましたら気軽にご相談ください。