2023.06.08
新車の購入時にはご注意を!!
こんばんは、出張修理の自転車屋さんです。
本日はスポーツバイクの駆動系トラブルで多いRディレラーを後輪に巻き込んだトラブルの修理をご紹介します。
某量販店様のオリジナルMTBで多治見市内に出張でお伺いして作業場に引き上げます。
最初はRディレラーが180度回転しており逆さまになっていました。
とりあえず正しい位置に戻してみますが明らかにパーツが変形して変速機が斜めになっています。
状態を把握するめにパーツを外します。
チェーンをカットし
Rディレラー(変速機)を外します。
写真では分かりにくいですが変速機が捩れる様に変形しています。
これは修理不可ですので交換になります。
ディレラーハンガーも斜めになっています。
良くある事例としては右側に自転車を倒してしまうとRディレラーが地面と当たってディレラーハンガーが内側に曲がってしまうトラブルです。
本来、ディレラーハンガーはバイクメーカーもしくは販売店で入手をするのですが今回のバイクを販売していた某量販店が閉店してしまったので通常ルートでハンガーの入手が出来なくなってしまいました。
このパーツが入手できないと自転車は通常使用することが大変難しくなります。
理由はディレラーハンガーはバイクごと、パズルのピースのように形状が殆ど違います。
ごく稀に他のメーカーで同じ形ものを使用している事はありますがデーターも少なく照合することはとても大変な作業になります。
お客様からはとりあえず変速は殆ど使えなくても良いので最低限漕いで進むようにして欲しいとの事でした。
最終的にどう修理するかを考えながら修理を進めていきます。
まずは変速機を巻き込んだホイールも振れが出ていたのでバランスを調整します。
またスポークテンションがとても低い(これも巻き込んだ原因の一つです)のでスポークテンションも最適になるように張ります。
ちなみに曲がったエンドで曲がり具合を測定するとこんな感じです。6時を起点にしてみると
9時の位置
12時の位置
これだけ変形していると修正機で終始しても折れる可能性がとても高く、折れてしまうと変速機を吊る事も出来ないのでよーく考えます。
今までの経験を元に出した答えは、、、何とかして新品を探し出す!!
色は違いますが全く同じ形状のディレラーハンガーを探し出し、見つけて入手しました!!
異音対策をしてバイクに新品を取り付けします。
新品を付けますが目視でも曲がったように付きます。原因は、、、
フレームの精度がとても悪いからです。
明らかに両サイドのエンド部分が内側になっています。
この手の量販店オリジナルバイク等のルック車では良くあることです。
ディレラーハンガーの角度も最初よりかはかなりマシですのでフレームの精度の分をハンガーで補正をします。
新品のチェーンとRディレラーを用意しました。
フロントの変速機も調整します。
チェーンリングに対して水平になるように調整します。
新品のチェーンはグリスのような油が付いていてペダリングが重たいので油分を一度洗い落とします。
洗い終えたらチェーンを取り付けます。
新しいチェーンオイルを塗布します。
変速調整に入ります。
リアが1速の時にはやはりフレーム精度などの問題もありスポークとかなり接近しています。
これではデイレラーハンガーが少し変形するだけでまた同じトラブルになる恐れもありますのでお客様と相談してリアは1速が使用できないように調整しました。
2速位置ではスポークまで余裕があります。
今回は奇跡的に入手できたハンガーですが再度同じトラブルになった際に確実に入手できる保障もありませんのでトラブルに対してマージンをとる方向で調整します。
無事に完成しました。 テスト走行をしてお客様に納品します。
この様にスポーツバイクではRディレラーハンガーはとても大切で重要なパーツになりますので、自転車を購入される際はこのパーツが入手できる自転車を選びましょう!!
(私が過去に勤めていたプロショップで某イタリアメーカーは入手に1年近くを要した事例もありますので、心配な方は予備で最低1個はディレラーハンガーを事前に購入しておくことをお勧めします。)
カテゴリ:スポーツバイク修理日記
本日はスポーツバイクの駆動系トラブルで多いRディレラーを後輪に巻き込んだトラブルの修理をご紹介します。
某量販店様のオリジナルMTBで多治見市内に出張でお伺いして作業場に引き上げます。
最初はRディレラーが180度回転しており逆さまになっていました。
とりあえず正しい位置に戻してみますが明らかにパーツが変形して変速機が斜めになっています。
状態を把握するめにパーツを外します。
チェーンをカットし
Rディレラー(変速機)を外します。
写真では分かりにくいですが変速機が捩れる様に変形しています。
これは修理不可ですので交換になります。
ディレラーハンガーも斜めになっています。
良くある事例としては右側に自転車を倒してしまうとRディレラーが地面と当たってディレラーハンガーが内側に曲がってしまうトラブルです。
本来、ディレラーハンガーはバイクメーカーもしくは販売店で入手をするのですが今回のバイクを販売していた某量販店が閉店してしまったので通常ルートでハンガーの入手が出来なくなってしまいました。
このパーツが入手できないと自転車は通常使用することが大変難しくなります。
理由はディレラーハンガーはバイクごと、パズルのピースのように形状が殆ど違います。
ごく稀に他のメーカーで同じ形ものを使用している事はありますがデーターも少なく照合することはとても大変な作業になります。
お客様からはとりあえず変速は殆ど使えなくても良いので最低限漕いで進むようにして欲しいとの事でした。
最終的にどう修理するかを考えながら修理を進めていきます。
まずは変速機を巻き込んだホイールも振れが出ていたのでバランスを調整します。
またスポークテンションがとても低い(これも巻き込んだ原因の一つです)のでスポークテンションも最適になるように張ります。
ちなみに曲がったエンドで曲がり具合を測定するとこんな感じです。6時を起点にしてみると
9時の位置
12時の位置
これだけ変形していると修正機で終始しても折れる可能性がとても高く、折れてしまうと変速機を吊る事も出来ないのでよーく考えます。
今までの経験を元に出した答えは、、、何とかして新品を探し出す!!
色は違いますが全く同じ形状のディレラーハンガーを探し出し、見つけて入手しました!!
異音対策をしてバイクに新品を取り付けします。
新品を付けますが目視でも曲がったように付きます。原因は、、、
フレームの精度がとても悪いからです。
明らかに両サイドのエンド部分が内側になっています。
この手の量販店オリジナルバイク等のルック車では良くあることです。
ディレラーハンガーの角度も最初よりかはかなりマシですのでフレームの精度の分をハンガーで補正をします。
新品のチェーンとRディレラーを用意しました。
フロントの変速機も調整します。
チェーンリングに対して水平になるように調整します。
新品のチェーンはグリスのような油が付いていてペダリングが重たいので油分を一度洗い落とします。
洗い終えたらチェーンを取り付けます。
新しいチェーンオイルを塗布します。
変速調整に入ります。
リアが1速の時にはやはりフレーム精度などの問題もありスポークとかなり接近しています。
これではデイレラーハンガーが少し変形するだけでまた同じトラブルになる恐れもありますのでお客様と相談してリアは1速が使用できないように調整しました。
2速位置ではスポークまで余裕があります。
今回は奇跡的に入手できたハンガーですが再度同じトラブルになった際に確実に入手できる保障もありませんのでトラブルに対してマージンをとる方向で調整します。
無事に完成しました。 テスト走行をしてお客様に納品します。
この様にスポーツバイクではRディレラーハンガーはとても大切で重要なパーツになりますので、自転車を購入される際はこのパーツが入手できる自転車を選びましょう!!
(私が過去に勤めていたプロショップで某イタリアメーカーは入手に1年近くを要した事例もありますので、心配な方は予備で最低1個はディレラーハンガーを事前に購入しておくことをお勧めします。)